アディポネクチンを増やすには-運動編

おすすめの運動6種

ここでは有酸素運動と無酸素運動から、それぞれ気軽に実践できる方法を3つずつピックアップして紹介しています。

日頃から運動を実践している人はアディポネクチンの数値が高いというレポートがあるほど。内臓脂肪を適正量にする、つまり標準的な体型(BMI値が22前後)を保つためにも、適度な運動を心がけましょう。

なお、過度な運動はケガや病状悪化などのリスクもあるので、必要に応じてかかりつけの医師に相談の上、無理のない範囲で取り組んでください。

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アディポネクチンと運動の関連性

アディポネクチンは運動をしなくても痩せられるホルモンといわれることもあります。これは間違いとはいえないものの、それほど単純な話でもありません。

内臓脂肪が多くても少なくても
アディポネクチンの分泌量が減る事実

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される超善玉ホルモンで、ガリガリに痩せて内臓脂肪が減ると分泌量が減ってしまいます。これは減らすべき脂肪が少ないのである意味道理ともいえます。

反対に、内臓脂肪が増加した場合、アディポネクチンはその分泌量を減らしてしまいます

本来、内臓脂肪が過多のメタボ状態である時ほど、アディポネクチンの分泌を促進したいところ。それが逆に減ってしまうので、アディポネクチンの分泌量を正常値に戻すためには、内臓脂肪を減らす運動を実践する必要があるのです。

アディポネクチンのための運動の目的

運動をたくさんしたからといって、すぐにアディポネクチンが正常に分泌されるわけではありません。運動は、主に次の2点を目的としています。

アディポネクチンの分泌を減らさない

一定の筋肉量をキープして基礎代謝を高めておけば、脂肪が付きにくくなり、アディポネクチンの分泌減少を抑えられます。

また、軽めの有酸素運動を日課にしておけば、脂肪燃焼にも役立ちます。

アディポネクチンの分泌減少を改善する

アディポネクチンの分泌量が減っている場合は内臓脂肪が肥大化している可能性が高いので、まず有酸素運動を積極的に実践し、内臓脂肪を減らします。その結果、アディポネクチンが正常に分泌されるようになるわけです。

運動していなくてもアディポネクチンが同じ効果をもたらす?

メタボや糖尿病を予防・治療するには、食事療法と運動療法が適しているといわれています。食事療法は、1日の活動に必要とするエネルギーを過不足なく摂取すること。運動療法は、適度な有酸素運動により体内の持久力を強化して、代謝を上げる効果が期待できます。これらを続けることで、長寿遺伝子とよばれる「SIRT1」の働きが活性化。「SIRT1」は、細胞や血管の老化の抑制や細胞のストレス耐性を向上させる作用があります。動物を使った実験では、「SIRT1」の機能を高めることで寿命が延びるという結果が発表されました。加えて、インスリンの分泌にかんする調整を行うため、血糖値の抑制にもつながります。

アディポネクチンとミトコンドリアの働きが注目される理由

東京大学医学部の研究チームの発表によって、アディポネクチン受容体を通してアディポネクチンを細胞に取り入れると、ミトコンドリアの働きが活性化し、運動した時と同じような効果が得られることがわかりました。

ミトコンドリアは、肝臓・心臓・腎臓などの細胞内でエネルギーの代謝を担う小器官です。体内で使用するエネルギーを生成したり燃焼させたりと正常に機能することで、代謝機能を向上させます。ミトコンドリアの量や機能にかんして重要な役割を担っているが、PGC-1αという、ミトコンドリアを構成する分子。PGC-1αは、ミトコンドリアの機能を発揮するためのコントロールを行う役割があります。そのため、体内の代謝を向上させるには、ミトコンドリアの数を増やしてPGC-1αを正常に活動させることが大切なのです。そんな、ミトコンドリアとPGC-1αは、アディポネクチンと相性抜群。アディポネクチン受容体を通して細胞に取り入れると、ミトコンドリアが活性化することが明らかになっています。糖や代謝の改善に作用する、SIRT1を活性化することにもつながることも発表されました。

運動時と同じような効果がえられることが判明した

アディポネクチン受容体が欠損しているマウスを対象に実験を行ったところ、ミトコンドリアを通した血糖の取り込みや、PGC-1α、脂肪燃焼、運動持久力が著しく低下。結果、糖尿病やメタボなどの状態になりました。低下するメカニズムを調査すると、アディポネクチン受容体が糖を抑えて代謝を上げ、SIRT1の活性化につながっていたと結論付けています。このような研究結果から、アディポネクチンと受容体を介したミトコンドリアの働きは、運動時と同じようなエネルギー代謝効果が得られると立証されました。

次世代の商品開発に向けて期待ができる

糖尿病の治療をするには、食事療法と運動療法が効果的です。しかし、高齢の人や足腰を痛めて思うような運動ができない人もいます。その点、運動ができなくても糖や脂質の代謝や燃焼を進めてくれるような薬を開発できれば、糖尿病患者の負担も軽減できるのではないでしょうか。アディポネクチンはそのような希望を叶えてくれるホルモンとして、研究が進められています。

参考にした文献・サイト

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